人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Chan Cafe

chanpoke.exblog.jp
ブログトップ

さくら さくら   その一

「用水の桜並木がライトアップしてきれいなの。観に来る?」

アルバイト帰りのayaから、電話。
急いで、chanceにリードをつけて一緒にでかけた。
やわらかで温かな風が、顔を包み込むように吹いていた。
桜の開花は、2分咲きほど。
長く続く桜並木の中ほど、200mくらいにかけて
用水の手すりにセッティングされたライトに下から照れされた桜たち。
明るすぎず、まるで行灯のやわらかな明かりをあててもらったような
やさしい光の中でたわわにつぼみをつけた枝先が、
ちょっぴり重そうに風に踊っていた。

握って出たカメラを向けてみたのだが、みたままの映像を残せない。
まるで、桜たちが
「そんなもので残さないで、あなた方の脳裏に焼き付けていきなさいな。」と
諭しているようにも思えた。

私たちは、すぐに映像(画像)で残しておきたいと思う。
残しておきたいという一心で、とても大事なチャンスさえ、時間さえを
忘れてしまっていることがある。
たとえば、子どものとても大事な瞬間。
記念に残しておきたいという気持ちが、いつも子どもを
ファインダーの中からしか覗いていなかったなんてことに
幸い私は、子どもが小さいうちに気がついた。
カメラをもっているために大きな拍手が贈れなかったこともあった。
記録として、思い出として形にして残すことも手段としては否めない。
しかしながら、せっかく訪れているその一瞬を自分で目で見て
心に刻んでいくことのほうが、後にどんなにいとおしい思い出になるか
なかなかそのときには、気がつかないのだな。
写真をみて、思い出を語るのもいい。
けれどその写真をとるときに自分の瞳は、ファインダーという
ある意味障害物を通して、それを観ていたという1片の残念な思いでも
一緒によみがえったりするのだなぁ。


さて、桜。
「香りがするね。」とaya。
温かい風にのって若い花の香りがしたような・・・。
うれしかったなぁ。
ほころび始めた桜もですけどね、
開花をよろこび、ライトに照らされた桜を美しいと思い
私を誘ってくれた愛娘。 
今晩のことはね、何年経っても私の心に蘇る。
シャッターをおさなかった、何よりもきれいな映像といっしょにね。
by beagle_lovers1130 | 2007-03-27 23:30 | my groooovy days