子どもの頃、いわゆるよい子の部類だった。
品行方正とまでは言わないけれど、先生受けのする子だったと思う。
その私が小学6年生のとき、一度だけ親が学校へ
呼び出される事件を起こした事がある。
クラスにいつもひとりぼっちの女の子がいた。
特にともだちも作らずに休み時間になると外を眺めている子だった。
クラスの悪ガキグループのターゲットになって、くだらないいじめをうけていた。
あの頃のいじめは、今ほど悪質なものではなかったと思うがいじめはいじめだ。
ある日、階段の踊り場でその子がいつもの悪がきに囲われておびえていた。
私は、たまらなくなってその中のリーダー格の男の子にランドセルごと
体当たりして、ふたりとも階段から転がって落ちた。
そのあとのことは、よく覚えていないのだが親同士が
何回も何回も頭をさげていた事が鮮明に記憶に残っている。
その事件の後も、その女の子は何もなかったように
休み時間になるとひとりぼっちで外を眺めていた。
わたしと口をきくこともなかった。
いじめだけが終わった。
30年経っても相変わらずバカな自分がここにいる。