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リバティーン(放蕩者)

リバティーン
才能をもてあました人物には、どこか共通しているところがあるように
感じました。 ずっと昔に観た「アマデウス」を思いだしましたね。
天命をまっとうしたとは、言えないかもしれないのだけれどもそこには、
凄まじいほどに人に影響を与えた短くも深い人生があったことは、真実。

ロチェスター伯爵という人物をいろいろな角度から観ることができますが、
注目したいのは、彼を囲む女性たち。
自分への愛が薄れていると知りながらも最後まで夫を愛し続けた妻。
堕ちていく息子を最後まで母の愛で見守った母。
彼に愛をもって支え続けた娼婦
そして、ロチェスター伯爵に真の愛を知らしめた舞台女優バリー。
彼は、形は違っても愛には恵まれていましたね。
それに気がつくのが、遅かったのはとても残念なことですが、
どういった表現が妥当かわかりませんが、男性には母性本能をくすぐる
「こども」のようなところがあるのでしょうか? 
賛否両論ございますでしょうが、あくまで私の主観です。
無謀ではありましたが、情熱的でかつロマンチストであったことには
違いないようです。

HPにロチェスター伯爵からバリーに送ったラブレターがあります。
詩人の彼からの心打つラブレターです。 必読かな。

この映画の中で、バリーがロチェスター伯爵に放つせりふの数々は
誠に心うつものでありました。
中でも、もう余命いくばくかになったロチェスター伯爵が舞台中の
バリーを訪ねときに彼女が放ったせりふ
「女優として育ててくれたが、わたしはあなたに人生の意味を
教えたのだから、貸し借りはないのだ」と言ったとき、
涙をさそいましたね。 その言葉は、彼にたいする精一杯の最後の
愛だったのでしょうから。

いやはや、重い映画ですよ。 観終わったあと、シートにくくりつけられたような
そんな感じをおぼえましたから。

ジョニーデップ、迫真の演技です。
彼が主演でなければ、おそらく観ることもなかった映画ですが・・・。
いろいろな映画を観てきて、何でもできる人だなぁとは思っていましたが
この映画には、いままでの彼のキャリアを積み重ねてきた中から
生まれたであろう新しいジョニーデップがいます。
これからが、ますます楽しみです。
by beagle_lovers1130 | 2006-05-06 13:07 | cinepoke